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誰もが見落としがちな「知覚力」こそが、不安定な時代に必要なスキル

純粋に見ることができなくなっている

私たちは、そもそもものを見ることができなくなっています。それは、視力の問題ではなく、見ることが下手になっているということです。

そうは言っても、ピンとこないと思いますので、1つ試しに見る力を測って見ましょう。次の人間の胸部CT画像を見て、この患者の異常を見つけてください。

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資料:Trafton, et al., Psychological Science

どこがおかしいか見つかりましたか?

ここで問われているのは、CT画像に対する知識でもなく、腫瘍や異常を見つけるスキルでもなく、ただ純粋に見ることです。

純粋に見た人には、画像の右上に片手を挙げているゴリラを見つけることができたと思います。

逆にゴリラを見つけられなかった人は、きっと腫瘍は白いところからな?おかしあ血管の筋があるのかな?というふうに、何かを探そうと思いながら見ていたはずです。

そしてその時、ゴリラを探そうとは考えるはずがないです。そのため、目的から外れているゴリラを見ることができなくなってしまいます。


ちなみに、この画像を24名の熟練した放射線医師に見せたところ、ゴリラを見つけることができたのは、たったの4名だけでした。

見つけられなかった20名のうち、12名は画像のゴリラの部分を視線が通っているにもかかわらず、ゴリラを見ることができませんでした。

思考力・実行力をいくら伸ばしても意味がない

見ているようで見ていない。これって恐ろしいことです。

それは、医者がレントゲンの結果を見落とす、症状を見誤るというだけではなくて、写真や絵画をちゃんと見ていない。目の前の人のことを見ていない。たくさんの情報を見ているつもりで見ていない。

そんなことが日常茶飯事に起きているということです。


行動力をあげなさい、思考のパターンを身につけなさい、こう考えてみなさい、こう動いてみなさい。こういったアドバイスをしている人や本はたくさんあります。しかし、これだけでは実は不十分なのです。

私たちが行動するときには、思考をもとにします。そして、思考をするときには、知覚をもとにします。つまり、見たものです。

この見たものが貧弱だった場合、見たつもりで見ていない場合、思考の土台になる材料が足りません。その結果、思考が偏ったり弱くなったりします。そうすると、行動力にも影響が出てしまいます。


つまり、まずあげるべきは知覚力、見る力なのです。これをせずに思考力をあげようというのは、キッチンで材料もなしに美味しい料理を作ろうという状態と変わりません。

まずは、知覚力をあげることで、思考の材料、土台をしっかり作れるようになる必要があります。


絵をじっくり見ることから始めよう

美術館に行った時のことを思い出してみてください。絵の前にいったいどれくらいの時間立っていますか?

ある調査によるとおよそ15秒、長くても40秒程度という結果が出ています。その一方で、絵画に書いてあるものをしっかりと見るために必要な時間は、4分以上と言われています。

ここにおおきなズレがあります。私たちは30秒ほど見ただけで、絵を見たつもりになっています。しかし、それは、さわりの部分を見たに過ぎないです。例えるなら、音楽のイントロだけ聞いて、いい音楽だったと評価しているようなものです。

この「見る」のスタイルを変えなければいけません。

私たちは、絵画の前に立ったときに、たとえば有名な作品のメインの部分を期待してみます。もしくは、目立つ部分をじっくり(と言っても数十秒)見ます。わかりやすいところだけをざっと見ます。

それは、「検索モード」と言われるものの見方です。何かを期待しながら、自分の目的に合ったものを見ようとしている状態です。そのモードでは、期待していないゴリラを見つけることはできません。

これを「観察モード」に切り替える必要があります。

目の前にあるものをそのまま見る、じっくり見る、細部まで見る、全体を見る。そう言ったものの見方が「観察モード」です

この見るモードの切り替えができるようになれば、インプットされる情報が変わります。手に入る材料が変わります。そうすれば、思考が変わり、行動が変わります。

まず、変えるべきは、この見るモードです。検索から観察へ。そのためにも、知覚力を磨きましょう。美術館に行って、絵の前に1分以上立って見てください。



今回の記事は、この本をもとに行った読書会での議論の内容をまとめたものです。

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