
情報が対称な時代のブランド 僕らの学習帳 vol.053
現代の特徴のひとつとして、「情報の対称性」があります。つまり、送る側も受け取る側も、情報の量も質も変わらないということです。
かつては、情報のほとんどは、送る側だけが持っていて、受け取る側は持っていませんでした。だからこそ、みんなテレビを見て、新聞を読んで、情報を求めていたのですね。
この状態を「情報の非対称性」と呼びます。
新聞・雑誌・テレビ。ほとんどのマスメディアがこの「情報の非対称性」を有効につかっていました。そして、僕らが持っていない情報を持っている存在として、権威となっていきました。
でも、今ではこの「非対称性」が崩壊しています。情報はテレビだけではなく、SNSやインターネットなどであらゆるところにあふれています。(真偽はともかく)
かつてはブランドだけが持っていた情報も、今ではお客さん側が持っていることもよくあります。それによって、ブランド側は企業イメージや商品情報を完全にコントロールすることが難しくなってしまいました。
労働環境が悪いこと、カスタマーサポートの対応が悪いこと、就職面接でひどい扱いを受けたこと。こう言った情報が、(良くも悪くも)簡単に共有される時代となりました。
その結果、人々は自分が共感できる、信じられる、愛することのできるブランドを求めるようになっていきました。精神性や感情や価値が、つまり、世界観が、購買の決め手となる時代になったのです。
自分たちに都合の良い情報だけを流すことは不可能になった時代において、D2Cブランドがやるべき行動は、思わず語りたくなるストーリーをつくりこむことが必要です。
たとえば、ヘルスケアブランドのHimsは、語りにくい男性の健康の問題、EDなどを、オープンに語れる社会をつくりたいと考えている。
そのためにも、写真や表現はすべてオープンでカジュアルなものに統一されており、後ろめたさを感じるようなところはない。
このように、情報が対称性になったからこそ、D2Cは発信力を強め、クリエイティブを強め、そして、それを直接お客さんに届けることに価値を見出しているのです。
今回の僕らの学習帳は、「D2C 「世界観」とテクノロジー」で勝つブランド戦略」の第2章「「機能」ではなく「世界観」を売る」の後半から。(D2Cとは、Direct to Consumer(顧客への直接販売)という業務形態を表す言葉です)
今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひご覧ください。
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