
【11月の本で遊ぶじかん】みんなで読む、には可能性があふれすぎている。
1年以上、本で遊ぶじかんを主催し、ファシリテーション続けてきました。
参加者が1人も来ないこともあり、全部を読むことを諦めたこともあり、決して平坦な道のりではなかったですが、今回のじかんは、特にすごかった。
個人的に、心から震えた、そんな回でした。
というのも、今回の本が難しかったから。今までやった本の中で一番難しいんじゃないの?とすら思っていました。
ちなみに、今回の一冊は、
「時間は存在しない」。
気鋭のイタリア人物理学者が、一般向けに書き下ろした学術書で、時間が存在しないことを解き明かすという、説明を書いていても、ちんぷんかんぷんな一冊。
そんな一冊を、物理の門外漢が集まって、バラバラに解説したら、それこそ訳のわからないことになってしまうんでないか。そんなドキドキもあったのです。
最悪のシナリオとしては、参加者がバラバラに本を読んでいる。1人、また1人と頭を抱え出す。そして、気弱そうな目であたりを見回す。
その目には、「これ何書いてるんだ?」という困惑の色が強く出ている。
それでも、とにかく発表まではなんとかやらなければいけない。そう思いながら、四苦八苦しながら発表用にまとめを作る参加者。
そして始まったリレープレゼン。
ただ、リレーとは名ばかりで、誰もバトンを受け渡すことができず、トラックを逆走し、方向音痴に陥り、どこへも進めない発表者たち。
最後の最後までそのリレーの方向性は定まらず、スタート地点からバトンは一歩も動かず、ゴールにたどり着いたはずなのに、達成感どころか、終わったことすらわからないほどの喪失感。
そして、部屋全体を沈黙が支配する。
こんな恐ろしい会になるのではないか、とすら想像していたのです。
ですが、なんという杞憂。
3人寄れば文殊の知恵と言いますが、今回あつまった6人の方達は、文殊の知恵の2倍以上の知恵を発揮し、力を合わせ、そして想像以上の美しいリレーを見せてくれたのでした。
感動。
何を言っているのか、簡潔にいうならば、今回のこの本は、私自身が1人で読んだ時よりも、圧倒的に、今回の読書会での方がわかりやすかったんです。
私1人が通勤電車で、ウンウン言いながらあーだこーだ考えながら読んでいた時よりも、みんなでおかし食べながら、「これ難しくない?」って雑談しながら読んで、みんなでワイワイはしゃぎながらプレゼンした方が、圧倒的に、比較にもならないくらいわかりやすかったし、楽しかった。
こんなことあるんだって、心の底から震えました。
今までも、本で遊ぶじかんの力は感じていたし、面白いと持っていた。でもそれは、1人で読んだ時とはまた別の理解の仕方を提示してくれるくらいだった。まさか、自分1人で読むよりも圧倒的にわかりやすいことがあるなんて思ってもいなかった。
脳みそが繋がり、拡張され、自分が持っている能力を軽々と超える瞬間。
「共創」、もしくは、コクリエイション。
そんな瞬間を味わえたのでした。
この感覚を参加者の方にも通じていたようで、
自分が読んだところは軽く理解出来た程度のものだったけど、
他人の発表を聞くごとに、書かれている全体が把握できるようになる感覚が面白かったです。
本の内容はもちろんだが、自分では到達しえない読書の着地点に行けた、行こうとしたことに読書会の可能性を感じた。
とても面白かったですし、自分では読まない本がみんなでだと読めるのがとてといいと思いました。
という風にアンケートにも書いていただけました。
この衝撃的な新しい読書体験を、もっとたくさんの人と共有したい!
ということで、毎月第3水曜日の「本で遊ぶじかん」に遊びに来てください。
次回は、今年最後の開催となります!!
映画のJOKERについて語ります!!天才を殺す凡人を読みます。
人間関係に悩んでいる人にこそ、ぜひ参加してほしいイベントです!!!