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自らの事業を滅ぼすという選択 僕らの学習帳 vol.035

セルフ・カニバリゼーションとは、自分たちで共食いをすることと言える。これを、現代の社会で最も積極的に行なっている企業の1つが、Appleです。

彼らは、iPod miniが売れ行き好調の時に、さらに小さく使いやすいiPod nanoを発売し、miniの市場を奪っていきました。

さらに、iPodの市場を、iPhoneの発表で奪い去り、iPadが狙っている市場は、Mac Bookの市場です。

このように、自社の製品のすでにある市場を、自社の新製品によって奪い、場合によっては、既存商品の事業を破壊してしまう。このある意味で残酷な行為を、ここではセルフ・カニバリゼーションと呼んでいます。

そして、恐るな、と。


ちなみに、Apple以外にこのセルフ・カニバリゼーションを積極的に行えた会社が、前の章でも紹介したP&Gです。

彼らは動植物の油脂から作る石鹸をメインの事業として、その製造をオートメーションにし、大規模な工場を建設し、生産能力を伸ばしていきました。

その一方で、ドイツのある研究所でつくられた合成洗剤の存在を知ると、彼らはその研究を積極的に進めた。

ただ、その研究活動はうまくいかず、さらに、第2次世界大戦の勃発により、あらゆる資源が不足していく中で、研究の中止は何度となく勧告されたのです。

ただ、その中心人物の1人であったデービッド・バイアリーは、それを無視するほどの強情さを持っていました。言ってしまえば、非公認のプロジェクト(スカンク・ワーク)でした。

そして、彼の直属の上司も、秘密裏にそれを認めるような発言を、彼にして、最終的には、洗浄効果が十分にある合成洗剤を開発することに成功したのです。

この瞬間に、P&Gは、機械工学から消費者心理学、そして、さらに有機化学の分野へとリープしたのでした。

ちなみに、この合成洗剤は、P&Gの主力商品であった洗剤石鹸「アイボリー」の競合商品であり、もっと言えば、洗浄力はそれを上回っていました。

つまり、発売することは、1つの事業を潰す可能性もあったのです。それでも、P&Gの考えは、はっきりしていました。


「この商品がせっけん事業を滅ぼすかもしれない。しかし、どうせ滅ぼされるのなら、プロクター・アンド・ギャンブルに滅ぼされる方がいい」と。

そして、実際にこの合成洗剤は、売り上げ1位の洗剤となったのです。


このセルフ・カニバリゼーションという事業戦略は、まるで向こう見ずなようにも見えるかもしれませんが、それをしなければ、P&Gの考え方の通り、他の後発企業に滅ぼされるだけでしょう。

第1章のところで見た、スタインウェイのように。



今回の僕らの学習帳は、「LEAP ディスラプションを味方につける絶対王者の5原則」の第3章「セルフ・カニバリゼーションを恐るな」から、お話ししました。

今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひ聞いてください。

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