
映画を生んだのは、プラスチック? 僕らの学習帳 vol.027
映画ができるためには、写真が普及する必要がありました。そして写真が普及するためには、写真のフィルムが誕生する必要がありました。
そして、この写真フィルムを実現させた素材がプラスチックだったのです。
当時、つまり写真フィルムが誕生するまでの時代は、写真乾板はガラス製が一般的でした。ガラスの上に感光ゲルを塗ったものを使って写真撮影をしていたのです。
そうすると想像の通り、一枚一枚が分厚く重い、しかも割ってはいけないので扱いも慎重になる。そんな取り扱いの難しい存在でした。
そこに写真革命とも言える発明を起こしたのが、コダックカメラであり、セルロイドフィルムだったのです。
ガラスの板だった写真乾板を、巻き取りコンパクトに持ち運びできるセルロイドフィルムに置き換えたのでした。これにより、写真は限られた写真家だけが扱うものから、大衆のものへと開かれたのでした。
当時も、ガラス乾板のほうが色がいい、味わいがあるというような議論がされたのかどうかはわかりませんが、フィルムからデジタルへと移行した時のようなインパクトがあったに違いありません。
この写真革命の後に続いたテクノロジーが、動画でした。
画像を連続させて見せれば動画になるという考え方は、昔から考えられていました。パラパラ漫画のようなものから、ゾーエトロープ(回転のぞき絵)のようなものまで、色々と考えられてきたのですが、それに適した材料が存在しなかった。
この材料の誕生を待って、映画産業はスタートできたのです。それがもちろんセルロイドです。
セルロイドによって、ロールフィルムが誕生し、それによって連続的に撮影した動画を投影することができるようになりました。
この重要性を産業にまで発展させたのが、リュミエール兄弟です。ここからは映画史などに任せるとしますが、実はその背景にはプラスチックという存在がいたのでした。
今回の僕らの学習帳は、「人類を変えた素晴らしき10の材料」の第6章「映画も音楽も『プラスチック』のおかげ」から、お話ししました。
今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひ聞いてください。
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