
お金をもらったところで、やる気が出ない理由 僕らの学習帳 vol.006
仕事をすればそれに応じた報酬がもらえます。そして、その仕事をより頑張ってもらうために、会社ではボーナスや成果報酬なんてものを取り入れているところもあります。
これだけの仕事をしたら、ボーナスアップ、給与アップ。なんてことも最近では当たり前のことになりました。
そして、これが当たり前になりすぎたところに潜んでいるのが、「インセンティブ」の迷信です。
どういうことかというと、クリエイティブな仕事とインセンティブの大きさ、つまり、報酬の大きさには、相関関係が見られないというのです。
そもそも、このインセンティブという考え方は、工業時代に生まれたものだと言われています。そして、このインセンティブがなぜ生まれたのか、というと、その時代の仕事が「つまらなかった」からです。
工場での労働などを想像してもらうとわかると思うのですが、工業時代の労働は、基本的に同じことの繰り返しであり、労働者と労働の内容に直接的なつながりが見られないものが、一般的です。
そういった仕事は、働いている人のモチベーションが、どうしても下がりやすくなってしまいます。この下がりやすいモチベーションを、上げるために、労働の中身ではなく、外側に作り出そうとしたものが、インセンティブです。
このような歴史を持っているインセンティブだからこそ、工業時代の次の時代の仕事、クリエイティブな仕事とはどうしても相性が悪くなってしまうのです。
金銭的な報酬を単純に増やすことが、クリエイティブの質をあげないのだとしたら、どうやったらクリエイティブの質を上げれるのか。
その答えは、結局、その人本人が持っています。
(身も蓋もない結論ですが。)
そのため、グーグルやフェイスブックをはじめとしたいくつかの企業は、営業時間の一部を、従業員の好きなプロジェクトに取り組んでいいというルールを設けています。
その時間は、従業員が、好き勝手に、挑戦してみたいプロジェクト、上司に却下されたプロジェクト、成功確率が低すぎるプロジェクト、お遊びみたいなプロジェクトに、没頭できるのです。
こうすることで、本人のやる気を刺激するモチベーションを産むことができ流のです。そして、それは、もちろん一般に信じられているインセンティブを与えるよりも、よっぽど価値のあるものを生み出すのです。
今回の僕らの学習帳は、「どうしてあの人はクリエイティブなのか?」の第6章「インセンティブ」の迷信から、お話ししました。
今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひご覧ください。
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