
【9月の本で遊ぶじかん】結論の出るあてもない深い疑問にみんなで頭を悩ましたじかん
今回、扱った本は、こちらの1冊『文化人類学の思考法』
この本を選んだ理由は、個人的な興味もあるのですが、章ごとに完結しているので、参加者の皆さんが気になるところをつまみ読んで、それを発表してお互いに議論するなんてことが可能。
たとえば、第1部の世界のとらえ方だと
1 自然と知識 環境をどうとらえるか?
2 技術と環境 人はどうやって世界をつくり、みずからをつくりだすのか
3 呪術とかがく 私たちは世界といかにかかわっているのか
4 現実と異世界 「かもしれない」領域のフィールドワーク
こんな風に、ゆるくつながりながら、それぞれの章が独立しているので、みんなが好きなように読みやすいですね。
そんな感じで、今回の私たちは、それぞれが好きなものを選んで読んで語る、というシステムにしてみました!みんなが思い思いに選んでいく過程にも、個人的な嗜好が現れてそれもまた面白かったですね。
この本自体が、日常生活の中で「当たり前」「常識」と考えられているものを疑って考え直してみようというものなので、議論もどんどんと活発になっていって面白かったですね。
たとえば、こんな疑問が飛び出しました。
サイボーグってなんですか?
人間の一部分がロボットになっているとサイボーグかなって思いますが、じゃあコンタクトは?義足は?ペースメーカーは?なんて疑問。
ここに感じている違和感ってなんでしょう?
なぜ、人は、非科学的・呪術的な考え方をしてしまうのか?
科学で証明されたことをみんなで信じるこの現代において、コラーゲン(科学的にその効果は証明されていないらしい)ってものを信じるのはなんでなんだろう?
芸術や美しいってなんですか?
美術館にメガネを置いておくと、みんながそれを一生懸命解読しようとしたり、鑑賞したり、これって一体なんなんでしょう?
そんな、答えなんて出ないけれど、頭を悩ますとどこからか湯気が出てきそうな会話をみんなでしていました。
サイボーグってなんなんだろう、じゃあ携帯電話は?体にチップを刺すと、もうサイボーグじゃない?メガネはどうなの?そういう意味では、レーシックや整形は?なんてことをあーだこーだ言いあう時間と空間が、ここに生まれました。
言ってしまえば、生産性はとてつもなく低い時間。そう言い切られても仕方ないと思う。
それでも、こうやって考えて、話して、笑い合う時間に意味があると思える人たちに出会えるのは、やっぱりいい時間だなって思います。
日常の普通の時間から少し外れた「遊ぶじかん」は、毎月開催しております。ぜひ一度遊びに来てください。