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ガレノスとヴェサリウス 僕らの学習帳 vol.097

真実だと思っていたことが間違えていた。当たり前だと信じられていたことが、全くの嘘だった。そんなことはこれまでの歴史でたくさんありましたが、その当時それを疑えた人間はほとんどいなかったことも事実です。

天動説を疑うことも、神が世界を想像したことを疑うことも、今の僕らからしたら当たり前なことも、当時の常識から考えてみれば不可能に近いほどの考えでした。

権威や常識や専門知識に真っ向から反対することはいつの時代もとても難しいものです。


16世期のヨーロッパの医学界にも、当時の常識を根底から覆す思考力を持った人がいました。ヴェサリウスという解剖学者です。

幼少期から人体の不思議に魅せられていた彼は、18歳にしてパリの大学へと向かわせました。そこで、当時の権威的な存在であったガレノスの解剖研究と出会います。

ガレノスとは、1世紀のローマ帝国時代に活躍した医学者で、16世紀の当時においても最も信頼できる解剖学の教科書をまとめあげた存在だったのです。そこには喉の発生のしくみや、静脈と動脈の違いなども詳細に記載されていました。

周りの医学生と同様に、ヴェサリウスもまた、ガレノスの解剖学研究にのめり込んでいきます。しかし、学べば学ぶほど、実際との違いに気づいていくのです。誰しもが、頭ごなしに正しいと決めつけて持たなかった疑惑を、ヴェサリウスは持ち始めます。

つまり、最高権威であるガレノスを疑い、それをアップデートしようと、自らの解剖実験を始めます。

今までも解剖実験は行われていましたが、それまでの実験はガレノスが正しいことを証明するためのものばかりでした。しかし、ヴェサリウスは、独自の観察・考察を、解剖を通して身につけていったのです。

ちなみに、このような反抗的な態度、権威へ逆らうような行為は、当初全く認められていませんでした。

しかし、ヴェサリウスの解剖研究の結果、ガレノスの解剖研究は、人体の解剖ではなくサル、ブタ、ヤギの解剖に基づくものだと突き止め、そこから、ヴェサリウスの研究と発見が大きく評価されるようになりました。

その後に、これらの研究をまとめたものが、医学の世界に新たな道を作りました。既知の知識に頼ることなく、自分の目で見ながら考察を進める、その態度こそが医学の新しい扉を開けたのでした。



今回の僕らの学習帳は、「無知の技法 不確実な世界を生き抜くための思考変革 」のCHAPTER7「見るために目を閉じる」から、お話ししました。

今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひ聞いてください。

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