
刺激的な言葉より、語りかけの言葉 僕らの学習帳 vol.052
第2章の前半では、「世界観」を売るとはどういうことかを説明していきます。それを説明するのに、とてもわかりやすいのが、スーツケースのD2CブランドAwayの創業者の言葉です。
「Awayにおいては、いいプロダクトと悪いプロダクトを分つのは感情だと思っている。そして、なによりコンテクストが重要だ」
ーAway創業者 ジェン・ルビオ
従来のブランドが考える、プロダクトの良し悪しは「機能」だったでしょう。しかし、彼女はそう考えていません。
大切なのは、感情であり、コンテクストなのです。そのように創業者が語るAwayのインスタグラムがこちらです。
スーツケースが写ってはいるのですが、スーツケースについては語っていません。写真から伝わってくるのは、旅に出たときのドキドキやワクワクです。
これこそが、Awayが、自らを「旅」を売る会社と位置付ける理由です。
このような考え方の変化を実現するには、自分たちの言葉を、「刺激」から「語り」に変える必要があります。
従来のブランドの広告は、刺激を詰め込むことが常套手段でした。限られた時間、限られた誌面でたくさんの人を引きつける。
そのためには、「ここが優れている!」「こんなに安い!」「他とは違う!」と叫ぶ必要がありました。
しかし、上のインスタグラムでも分かるとおり、D2Cブランドはそのような言葉を使いません。徹底的に避けています。
そのかわりに、ゆっくりと語りかけます。時間をかけて自分たちのことを理解してもらいます。だから、15秒のCMの代わりに、短編の映画を制作したりします。
この短編映画は、「北欧、暮らしの道具店」というECサイトを運営する会社がオリジナルで配信しているドラマシリーズです。
このようにD2Cブランドは、長い時間をかけてその世界観を伝え続ける工夫をたくさんしています。ドラマシリーズやインスタグラム、さらにはポッドキャストなども。
その一方で、刺激的なプロモーションはできる限りやらないようにしています。
このように扱う言葉が変化したことによって、お客さんも機能を求めるのではなく世界観を求める人が集まるようになってきたのです。
今回の僕らの学習帳は、「D2C 「世界観」とテクノロジー」で勝つブランド戦略」の第2章「「機能」ではなく「世界観」を売る」の前半から。(D2Cとは、Direct to Consumer(顧客への直接販売)という業務携帯を表す言葉です)
今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひご覧ください。
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