暗闇で目を凝らした先に見えてきたのは、仲間に伝える意思だった。
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暗闇で目を凝らした先に見えてきたのは、仲間に伝える意思だった。

耳に入ってくるのは、焚火の音と川のせせらぎ、そしてCOOゆういちさんの声。私の隣には代表ヨウジさんが静かにカメラを構えている。

「カメラを回すね」

焚火を囲む4人にだけ聞こえる淡々とした声でそう言って、ヨウジさんは録画ボタンを押しました。その横で、私はスマホを右手に持ち、映し出される映像を見ていました。

あれ?

ヨウジさんが構えるカメラの液晶をふと見ると、音声に反応して動くはずのパラメーターがびくともしていないように見えました。

いま、言うべきか言わないべきか

「気になったことは言ってね」と言われるほど、伝え方や伝えるタイミングに悩んで黙り込んでしまう、SUGOI学生インターンのめぐみです。こんにちは。

これは伝えるべき、と自分の中で判断したことも、すぐに言い出せず空気を読もうと努めてしまう。そんなことばかりの人生であり、SUGOIで働く日々です。

先日、撮影をした時もその言葉を聞きました。

「気になったことは言い合って、みんなで良い映像を撮ろう」

運転席でそう口にするヨウジさんの背中を見てから、私は視線を車窓に移しました。

ちゃんと伝えられるだろうか

伝えられなかった時のもどかしさ。それを思い出すほど、もうすぐ到着するキャンプ場への道のりすら長く感じました。

夜。キャンプ場の下を流れる川の音だけが暗闇から聞こえる中、撮影は始まりました。

焚火を囲むのは、SUGOIのメンバー4人。

ゆういちさんが話している時に、モモノさんが聞く役をする。その光景をヨウジさんがカメラで収め、カメラに映っている映像を見るためのスマホを私が持つ。

私たちを照らす光は目の前の焚火だけ。スマホの画面すら見えづらい。それでも私は画面に目をこらそうとしました。

ピントは合っているか?
照明の明るさは適当か?
カメラの設定は正しいか?

そうした撮影の細かいことは、いつもなら明るい場所で、4人の目で確認することができます。でも今は、暗く、しっかりと映像が見えているのは自分だけ。

誰にも、頼れない

手に持ったスマホの画面に目をこらせばこらすほど、辺りの暗さが増す感覚さえしました。

「カメラ回すね」

ヨウジさんがそう言って、ゆういちさんが話し始める。もう流れは止められない合図だと感じました。

私がちゃんと画面を見ていなければ

誰に言われたわけでもない責任感を持ちながら、ヨウジさんの横で息を潜める。手が震えてスマホの画面が見づらくないかと気にしつつ、ふとカメラの液晶画面に目を移す。その一瞬、いつもと違う感覚がしました。

何が違うんだろう

今までの撮影で目にしてきたカメラの画面と違うところを探す。

あ、パラメーターが動いていない

焚火の奥で淡々と話すゆういちさんの声に、カメラの液晶に映るパラメーターはうんともすんとも動かない。

これじゃ、ダメだ

でも、その違和感をすぐ口に出すことは躊躇いました。

このパラメーターが動いていないことが、いつも通りの設定だったとしたら?

自分の一声で撮影を止めてしまう未来が怖い。

でも、私が何も言わないで撮影が進み、もしも本当に音声が録れていなかったら?そっちの方が問題だよね?

とっさにかけた最悪想定の天秤は、言わない場合が最悪であると教えてくれました。

言わなきゃ

そっとカメラを回すヨウジさんの耳に入るくらいの声で、びくとも動かないパラメーターを指差しながら、私は言いました。

「音、入ってないですかね」
「あ、大丈夫、大丈夫」

ヨウジさんから返ってきたのは、思っていたものとは違う反応でした。

あれ、やっぱり言わない方が良かったかな

冷静にカメラを回し続けるヨウジさんと、そのまま話を続けるゆういちさんを見て思いました。やっぱり私は、無駄なことを言ったんだと。

10秒後、ひとしきり話し終えたゆういちさんを見て、ヨウジさんはカメラを止めました。

「一応、確認しておこうか、音声」

そう言って、ヨウジさんが映像の再生ボタンを押す。

「…あれ、入ってないね。あ、マイクの電源が入ってないよ!」

ヨウジさんのその声で、私はやっと息ができた心地でした。ああ、確認の時間が無駄ではなかったと。

「ありがとう」

そのヨウジさんの言葉が心のもやを晴らしてくれた気がしました。

「あぁ、良かったです」

そう言いながら、私はマイクの電源を入れました。


伝えること、それが私がいる理由

思ったことを伝えることができない。その理由は、発した言葉を受け取ってもらえない怖さを持っているからかもしれません。

そんなことないよ、考えすぎだよ。
今はそこまで、考えなくていいよ。

そんな安心感と虚しさが混じり合ったもので、自分の言葉が受け取られると思うと、まあいいかと口をつぐんでしまうのでしょう。

でも、どんな受け取られ方をしても、口を開かなければ何も伝わりません。

小さなことも大きなことも、些細なことも重大なことも、伝えてみなければ分からないことだってあります。

自分ではどうでもいいと思っていたことが意外とどうでも良くないことだったり、自分では当たり前に考えた視点だと思ったことが意外と考えつかない視点だったり。伝えて、この世界に芽を出させてみないと、自分が思ったことがどれだけ大切な意味を持っているのかは分からないものです。

だからこそ、伝えることを怖がってはいけないし、惜しんではいけないのだと思います。

伝えたい、伝えなければと思えることが、きっと私の存在価値そのものだからです。ここにいる、ここで感じているという、仲間へのシグナルです。

伝えたらどうなるだろうなんて先のことは考えないで、大胆に素直に伝えられる人になっていこう。そう思った日でした。

以上、今週の「インターンめぐみのモヤモヤのち晴れ」でした!

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