アロペアレンティングの可能性 僕らの学習帳 vol.159
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アロペアレンティングの可能性 僕らの学習帳 vol.159

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アロペアレンティング、聞き慣れない言葉です。それもそのはず、日本ではほとんど全く行われていない子育ての方法なのです。

そして、おそらくほとんどの日本人が、アロペアレンティングを怪しいと思うと思います。


私たち日本人の子育ては一般的には、生みの親が子どもを育てるとされています。特に、核家族化が進行した時代において、子どもを育てるのは親(祖父母や近所の大人たちではなく)の仕事と考えられています。

この考え方に真っ向から反対するのが、アロペアレンティングです。これは、「実の親ではない人物による養育」という意味合いです。

それは、例えば、祖父母に子どもを預けることであったり、養父母に育てられることであったり、ドラマであるような完全な他人が子どもを引き取って育てたり、と実の親以外が子どもの世話をすることを意味します。

もちろん、日本でもこのアロペアレンティングが全くないわけではありません。数は多くないにしても、日本にも養子縁組制度は存在しています。しかし、子育ての基本的な考え方は、実の親が育てるのが一番という考え方が一般的のようです。

このアロペアレンティングが、基本的な子育ての姿勢として浸透しているのが「プナン」と呼ばれる、東南アジアのボルネオ島に住んでいる狩猟採集民族です。

彼らは子どもが産まれると自分たちで全て育てようとせずに、近隣の夫婦に養子に出したり、祖父母に養子に出したり、逆に養子を引き取ったりしながら、大勢の大人で子どもを育てるという考え方を持っています。

たとえば、プナンのある男性は、パートナーとの間に生まれた第一子を近所の子どものいないパートナーに養子に出し、第二子、第三子を自分たちで育てました。

4人目の子どもは、すでにたくさん子どもがいる風のもとに養子に出され、5人目は自分たちで育て、6人目は養子に出したがすぐに亡くなってしまい、7人目は第一子と同じおうちに養子に出し、8人目の子どもは自分たちで育てています。

これまでに誕生した子どもは8人で、そのうち4人を自分たちで育て、1人は亡くなってしまい、3人は養子に出されました。

そして、この養子に出された子どもは全てすぐに会いに行ける距離で育てられています。そのため、子どもたちは、養父母と実の父母のどちらとも会いながら成長しています。

ある意味で、とても開放的であけっぴろげな子育て空間がそこに成立しているのです。

こんな子育ての状態を見て、もしかしたら、不思議な感覚を覚えるのかもしれませんが、実はこの子育ての方法には大きなメリットがあります。それが親の負担が軽減されることがあります。さらに、虐待など間違えた子育てが行われていないかチェックすることもできるので、子どもにとっても大きなメリットとなります。

もっと言えば、幼い頃からさまざまな大人たちと触れ合う機会が増えるため、より多様な人間関係を学ぶことができるという点でも、アロペアレンティングは優れています。

かといって、アロペアレンティングという子育ての方法を、日本にすぐに導入しようというものではありません。それにはハードルが高すぎます。それでも、実の親が全てやらなければいけないという考え方は、実は日本の特殊な事例に過ぎない、そう考えるだけでも、意味があるかもしれません。



今回の僕らの学習帳は、9月の本で遊ぶじかん2で扱った「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと」からお話ししました。

こちらの本は、SUGOIで毎月開催している読書会「本で遊ぶじかん2」で扱ったものです。

誰もが参加できて、読書だけじゃなく、楽しい議論もできる読書会です。興味のある人は、ぜひこちらのnoteのマガジンをご覧ください。


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