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デュシャンがアートを変えた 僕らの学習帳 vol.106

アートに常識はあるでしょうか?常識を破るものがアートだから、アートに常識はないはずだ。もしくは、伝統の深さを考えると、日常とは違う常識が適応されるはずだ。

アートの常識について、この本の中では、5つの質問が挙げられています。この質問について、イエスかノーを考えてみてください。

①アートは美を追求するべきだ
②作品は作者自身の手でつくられるべきだ
③すぐれた作品をつくるにはすぐれた技術が必要だ
④すぐれた作品には手間暇がかけられるべきだ
⑤アート作品は「視覚」で味わえるものであるべきだ

この5つの中でイエスと答えたものが、あなたの中のアートの常識です。アートは美しいものだ、作者自身がつくらなければいけない、すぐれた技術が必要だ、見えるものじゃないとアートじゃない。などなど。

アートへのイメージや常識というものは、確かに存在します。そして、この常識に真っ向から対峙したアーティストこそが、マルセル・デュシャンです。


この泉という作品は、男子用便器を持ってきて、偽名のサインをしただけのものです。デュシャンが作ったわけでもないし、手間暇をかけたわけでもないし、何より美しくありません。

しかし、この泉という作品は、2004年に行われた投票によって、「最も影響を与えた20世期のアート作品」の第1位に選ばれました。

その理由もまた、アート思考です。デュシャンは、面白いいたずらをしたから、評価されたわけではありません。悪ふざけとアートは違います。

ここでのデュシャンの問いは、「アートは美しくなければいけないのか?」でした。アート作品=目で見て美しいものという常識を破壊することができるのか、と考えたのです。

その興味のタネからのびた探求の根は、視覚芸術以外の芸術の形を考えて、アートの可能性を広げる方向に伸びていきました。

その結果誕生したのが「泉」です。これを目の当たりにした人は、デュシャンのように考えるでしょう。これはアートなのか?アートとはなんなのか?美しくなくてもいいのだろうか?と。

デュシャンは、アートを視覚で楽しむものから、頭で楽しむものへと可能性を広げました。それは、つまり、アートの常識をくつがえしたということでした。



今回の僕らの学習帳は、「13歳からのアート思考」のCLASS4「アートの「常識」ってどんなもの?」から、お話ししました。

今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひ聞いてください。

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