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中内功と松下電器との死闘 僕らの学習帳 vol.132

スーパーやドラッグストアなどで当たり前に見られる特売や値引、安売りの文字。この安売りが実現したのは、中内功という経営者がいたからでした。

彼の安売りへの道のりは決して簡単なものではありませんでした。父親の代から続いていた薬局を引き継ぎ、「主婦の店・ダイエー薬局」と名前を変えて、様々な商品を扱い始めます。

そのなかでも、彼が安売りへの熱意を向けたのが牛肉でした。悲惨な戦地での体験から、日本の人たちがすき焼きを腹一杯食べれるような社会にしたい、と考えていたからです。

そのために、仕入れた牛肉を相場より3割以上安い値段で販売しました。この販売価格に怒ったのは牛肉の卸業者でした。彼らは仕入れ先に圧力をかけていきます。その結果、中内さんは牛肉を買う先がなくなってしまいます。

それでも、諦めきれない中内さんは、牛を一頭ごと買ってきます。多くの業者がそれでも相手にしなかったのですが、ある業者だけが中内さんの熱意を買ってくれました。

その業者は、中内さんとの取引の結果、全部の取引先を失ってしまったらしいです。それでも、ダイエー薬局との取引を続けてくれた業者の人と中内さんは、生涯の友となったそうです。


そのほかにも、松下電器との安売りのための戦いも壮絶なものでした。

時代は高度経済成長期、洗濯機、冷蔵庫、テレビが三種の神器と言われた時代に、ダイエーはもちろんこの電化製品を自分たちの店で扱いたいと考えます。

当時、圧倒的な人気を誇っていた松下電器「ナショナル」の電化製品は、ナショナルの専売店でしか変えないものでした。そのような状況でも、ダイエーは仕入れ先を見つけてきて、自分の店で安売りを始めました。

もちろん、ナショナルは激怒しました。そして、徹底抗戦の構えを見せます。その作戦は、犯人探しでした。

ナショナルの店員が、ダイエーの店にいってナショナル製品を買ってきて、製造番号を確認します。それを確認すればどこの卸業者のものかわかります。すると、その卸業者に圧力をかけてダイエーに売らないようにさせます。

それに対するダイエーの対抗は、製造番号を削り取るというものでした。仕入れてきたナショナルの製品から、製造番号を削除して、売り始めたのです。

ナショナルもそれに黙っていません。製造番号を削り取れないものにしました。それは、ブラックライトを当てないと製造番号が浮かび上がらないようにしたのです。

このようなダイエーと松下電器の死闘の決着は1994年までかかりました。およそ30年にわたる壮絶な安売り戦争です。

結果的には、松下電器と取引のある忠実屋という総合スーパーの会社を、ダイエーが吸収合併するという形で決着をしました。

つまり、松下電器はダイエーとは取引をしないけれど、忠実屋とは取引をする。ダイエーは、忠実屋を間にはさむことで、松下の商品を扱えるというものです。


このように、ダイエー・中内功が見せた安売りへの執念は恐るべきものでした。そして、その結果、安売りというものが当たり前になり、消費者の力というものがここまで大きくなったのです。

日本の消費社会に大きく貢献した人物、それが中内功という経営者です。


今回の僕らの学習帳は、「日本の戦後を知るための12人」の第4回「中内功 価格破壊の風雲児」から、お話ししました。


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