
僕らはAIとどう付き合っていくのだろうか 僕らの学習帳 vol.037
囲碁のチャンピオンが、AIのアルファ碁に敗れたというニュースを記憶している人は多いと思います。では、どのように敗れたのか、そのAIの打ち筋はどうだったのかを知っている人は意外と少ないかもしれません。
この対局の時は、4勝1敗と、まだ人間にも勝つ方法があるということをしめしたと考えられていた。
ただし、その1年後、中国トップの囲碁棋士とアルファ碁が対局した時には、こう称された。
「昨年はまだずいぶん人間らしかったが、今年は囲碁の神のようだ。」
囲碁の世界のAIは、神のような存在になってしまっていたのです。
このようなAIに関する事件やニュースを見るにつけて、僕らは不安に駆られてしまう。仕事が奪われるのか、人間は支配されるのか、もしくは、滅亡ささせられるのか、と。
それは、有識者などでも同じことで、テスラの創業者のイーロン・マスクは、「原子爆弾より危険な可能性がある」と発言し、スティーブン・ホーキングは、「人工知能が最大限に発達したら、人類は終焉を迎えるかもしれない。」と発言しています。
では、単純にAIは人間に有害だから、破壊すべきか、禁止すべきか、という疑問が出てくるかもしれないが、この章のタイトルになっている通り、「味方につける」ことができるかどうかが重要だと述べられています。
人間の直感はとても価値があると考えられています。技術者や専門家などの直感は、それまでの経験と知識を踏まえた上で、瞬時に正しい判断を下すことができます。レントゲンを瞬時に解読する医師、緊急的な判断で危険を回避する消防士や警察など。
ただ、この直感が人間の成長を妨げることもあります。というのも、直感を身につけるのに決まった方法はなく、そのうえ、かなり長い時間の訓練が必要と考えられています。
この経験や知識を集める部分をAIに頼ることができるとしたら、AIとの協働は可能かもしれません。
たとえば、世界最大かつ最古のがん専門病院が持っている独自のデータベース、過去の診断記録・治療記録の全てを処理して解析してくれるAIがあったとしたら。
医療後発地域からもアクセスできるようにして、目の前の患者の情報を入力したら、過去の症例からのアドバイスを受けれるとしたら。
患者さんと対面で説明して、納得してもらい、そして合意形成する部分は人間の医者が担当し、それに対して、最新の知見と情報を集積した情報処理としてAIがサポートしてくれるとしたら、こんな心強いことはないのではないでしょうか。
ちなみに、ここにあげた病院のプロジェクトは、すでに実現されており、その影響力は徐々に拡大しているところです。
このように考えてみると、囲碁があれだけ強いのだからなんでもできると無闇に恐れるのではなく、正しく恐れながら、どうやって人間の力を発揮できるかを考えることが重要なのかもしれません。
今回の僕らの学習帳は、「LEAP ディスラプションを味方につける絶対王者の5原則」の第5章「人工知能を味方につける」から、お話ししました。
今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひ聞いてください。
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