
子どもにこそアート思考を 僕らの学習帳 vol.110
大人にこそ身につけて欲しいアート思考ですが、子どもへの教育の場面でも大きな可能性がありそうです。
自分だけの答えを見つけるアート思考という思考法は、「論理モード」で思考することになれきった大人のために必要です。変化の多い現代社会だからこそ、上から与えられる正解を待つのではなく、外にある正解を探しにくのでもなく、自分の中にある答えを見つける。
それと同時に、教育の文脈でも大きな可能性があると言われています。
最初に述べたとおり、子どもは誰だってアーティストなのですが、それが大人になるにつれて失われていきます。それは言い換えれば、かつての教育は、アート思考を奪うようにできているということかもしれません。
もともと持っていたものを無理やりに捨てさせて、数年後にまた身につけなさいということほど非効率なことはありません。
それなら、子どもがアーティストのまま大人になれることの方が圧倒的に価値があるのではないのでしょうか。
たとえば、よく行われる将来なりたい職業に関するアンケートですが、現在ある職業から選ばせるようなアンケートの構造自体が、アート思考を欠いています。
というのも、職業を選ぶという考え方は、職業という他人から与えられる正解に、自分の思考をあてはめようとすることです。それよりも、これからの子どもたちに求められるのは、自分のビジョンや夢をもとに、「職業そのものをつくる」ことです。
そして、それが実現する世の中を妄想することです。
アート思考を失ってしまった僕ら大人が、次の世代に残せるのは、アート思考を捨てずに済む世の中かもしれません。
今回の僕らの学習帳は、「13歳からのアート思考」の佐宗邦威さんの解説「「知覚」と「表現」という魔法の力」から、お話ししました。
今回の話について、もっと詳しいことを知りたい人は、動画・音声をぜひ聞いてください。
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