好奇心は私を、怖いもの知らずにしてくれる
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好奇心は私を、怖いもの知らずにしてくれる

目が覚める。携帯を見ると時刻は6:30。

「…編集が、したい」

パッと頭の中に浮かんだ欲求がどうしても拭いきれなくて、私は布団を脱いだ勢いのまま、リビングへ向かっていました。

ハードディスクと繋いだままのパソコンに手をかける。googleカレンダーのページを開く。今日はSUGOIのメンバー4人で集まって打ち合わせをする日。

「8:30に家を出れば、間に合う」

家からSUGOIのスタジオまでの道のりを想像し、編集のタイムリミットを決める。そして6時間前に完成させた映像ファイルを開き、再生ボタンを押す。

「やっぱり、違う」

昨晩、目を通したときは感じなかった違和感が、映像のあちらこちらに散らばっていました。

「編集、どう?」

COOゆういちさんから作業の進捗を聞かれたとき、私は言い淀みました。

順調に進んでいないことを報告する時は、いつも言葉選びに迷ってしまいます。SUGOI学生インターンのめぐみです。こんにちは。

「…全然、進んでいません」

絞り出したはずの言葉に、ゆういちさんはこう続けました。

「どれくらい進んだの?」

ゆういちさんとモモノさんが映るzoomの画面をスライドさせて、動画編集ソフトの画面を見る。そこに並んでいる素材は、何度まばたきをしても4つでした。

「あの…4つくらいしか…素材、並べてません」

少し経ってもゆういちさんの声もモモノさんの声も、聞こえてこない。

「他の素材に合わせていたら、なかなか上手くいかなくて…」
「いい素材が見つからなくて…」

そうやって音のない時間を埋めようとする自分の声ばかりが聞こえました。

「とりあえず、素材を並べていけばいいんだよ」

淡々と話すゆういちさんを見て、冷静さとは何かを思い出していました。

「そうですよね」

じたばたしたって仕方がないのだから、淡々と編集をするしかない。そう覚悟を決めて顔をあげた時、時計の短針はちょうど7を指し示していました。


「これでいい」と思えたのは、そこからしばらく経った時でした。

ゆういちさん、モモノさんとにお疲れ様ですと言ってから、私はパソコンに張り付いていました。

撮影素材を隅から隅まで見て、選んで、切り取って、並べる。

やることはそれだけです。でも、それが簡単にはいかない。なんか違うと思ってしまうから。

映像に入れたい素材だけど、荷物が映り込んで見栄えが良くない。
この素材を使うなら、もっといい素材があるかもしれない。

そんな欲張りを積み重ねて「ふう」と一息ついて、パソコンから目を離す。久しぶりに見た時計の短針は、もうすぐ12をまたぐところでした。

ああ、こんなに集中していたんだ

ゆういちさん達と話した時間をはるか彼方に思いながら、私はもう一度パソコンに向き合いました。

最後に一度、見て終わりにしよう

今日だけで20回は見たはずの映像は、何度見たって飽きなくて、なんか違うと思うところはすっかりなくなっていました。

よし、これでいこう!

映像を保存して、パソコンを閉じる。クッションから体を離す感覚はだいぶ久しぶりなものに感じました。

どんなフィードバックがくるだろう

今日編集した映像を見るSUGOIのメンバーの顔を想像しながら、私は布団を被りました。

30分前にいいと思った映像が頭の中に流れてくる。けれど、なんとなくパッとしない。

あれ、違うかも

何が違うのか、何がパッとしない理由なのかをバラバラと挙げてみる。

私が編集をしていたのは、撮影のメイキング映像。それは視聴者にとって、表に出ない裏の舞台を覗き見できる時間。言い方を変えれば、裏側を覗ける映像であることがメイキングで最も大切な価値かもしれない。

メイキングという原点に戻ったとき、ふと違和感の正体が見えてきました。

あ、作品を作ろうとしていたからだ

綺麗な作品じゃなくて、ドキュメンタリーみたいな人間くささがメイキングの価値だと気づいた時、布団にいたい気持ちはすっかり消えていました。

「編集がしたい」

自分が1日かけて作り上げたものを崩したくて、布団を今すぐにでも飛び出したい。でも目を覚ましたら、私は電車に乗って、打ち合わせに向かわなければいけない。

やっぱり寝なきゃ…眠れ…眠れ、私!!!

すっかりフル回転しそうな頭を落ち着けようと、目を瞑ったり、布団の包まり方を工夫するうちに、気づけば太陽の光で目が覚めていました。

携帯を見ると時刻は6:30。

「…編集が、したい」

起き上がって外を見る。雨は降っていない。

布団を脱ぐ。立つ。隣の部屋へ行く。ケーブルが繋がったままのパソコンを開く。時計の短針は、6を過ぎたところにいる。

「8:30に家を出れば、間に合う」

映像編集ソフトを立ち上げながら、6時間前、布団の中で考えたことを思い出す。

映像素材を全部くっつけたら、どうなるんだろう

4分12秒にきっちり散りばめた素材を、全部横並びにする。順番とか長さとか、昨晩いろいろ考えたはずのことを、全部考えないことにする。

それは、好奇心でした。

出来上がったものを全部崩して、なかったことにして、また作ってみたらどうなるんだろう。結果がただ、知りたい。それが起きて10分で編集をしてしまう、モチベーションでした。

前日に7時間、止まっては進み、進んでは戻るを繰り返した映像を、たった5分でごちゃごちゃにすることは、惜しくない。むしろごちゃごちゃにしたい。

全部並べたら何分になるんだろう。
そのまま再生したら、どんな印象なんだろう。
素材の順番を変えたら、映像の印象は変わるのだろうか。

ただ、内から湧き上がる好奇心だけで、私は手を動かしていました。

「いい!!!」

そう思ってパソコンから目を離した時、時計の短針はもう8を指していました。

好奇心は私を、怖いもの知らずにしてくれる

好奇心とは、言葉で説明がつかない感情です。そして、それはいつどこにいても湧き上がってきます。

布団に包まったとき。朝日で目が覚めたとき。電車に揺られて外を眺めるとき。お風呂でお湯に包まれるとき。

ふと好奇心は、やってきます。

どこからやってくるのか、降ってくるのか、生まれるのか、見つけるのか、それすらも分かりません。だけど好奇心は、私を面白い場所へ連れて行ってくれます。

普通だったら思いつかない道を選ぶことで、眺めることができる景色があります。自分だったら気づかない場所の存在を匂わせてくれるから、いつもとは違う空気を吸うことができます。

その眺めや空気は、きっといつもの私だったら、鉢合わせなかったものです。いつもの道を歩いて、いつもの場所で過ごしていたら、遭遇しなかった世界です。

好奇心は私を、怖いもの知らずにしてくれます。

天まで届きそうなプライドとか、氷みたいにガチガチな恐怖心とか、そういうものを全部忘れさせてくれます。自分が作ったものを壊す悲しみも同じです。

好奇心は、怖さや悲しさを忘れさせてくれます。そして、怖いもの知らずな私を目覚めさせてくれます。

好奇心があれば、私はどこまでも可能性を信じられるかもしれない。実現が簡単じゃないことだって、やりたいことはやれるって、信じられるかもしれない。やりたいことができない怖さを忘れられるかもしれない。

好奇心だけで作った映像がSUGOIのメンバーから「いいね」と言われたあの日、私は分かった気がしました。


以上、今週の「ど素人インターンがみたクリエイティブカンパニー」でした!

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