地球温暖化の知りたくない話 僕らの学習帳 vol.165
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地球温暖化の知りたくない話 僕らの学習帳 vol.165

ここに、1つの大きなバスタブがあります。栓はちゃんと閉じてあります。そこにゆっくりと水が注がれています。もちろん、水はバスタブの外に出ることはありません。

ゆっくりとゆっくりと、バスタブは水で満たされています。その増えていく様子はあまりにもゆっくりなために、誰も気づいていないようです。

そして、あともう少しで溢れてしまうところまで来てしまいました。私たちが、この蛇口を締めなければ、水が溢れてしまいます。

こんな時、水の出方をゆっくりにして、溢れないと安心できる人はいないでしょう。ゆっくりでも速くても、水が増えていることには変わりありません。

まず蛇口をしっかりと閉めて、水が出てこないようにする。その後に、堅く閉ざされた栓をぬく。ほとんどの人がこうするはずです。


これと全く同じことが、地球温暖化でも求められています。私たちは日々、二酸化炭素を出し続けています。それが地球というバスタブに溜められていき、まもなく溢れてしまうところまで来ています。

溢れた時に起きることの一部は予想されています。氷河が溶ける、海面が上昇する、そしてもちろん気温が上昇する。しかし、それ以外のほとんどのことは予測すらつきません。ハリケーンや台風が今以上に凶暴化する?食物となる動植物を育てることができなくなる?感染症の広がるスピードが急上昇する?

全て、あり得ることです。そして、このどれもが私たち人類にとって、危険すぎるものです。だからこそ、私たちは、今すぐ(できるだけ早く)蛇口をしっかりと締める必要があります。

少しくらいなら大丈夫、ではありません。少しでも、たくさんでも、バスタブの水がいつか溢れてしまうのと同じことです。だからこそ、私たちは、ゼロにこだわらなければいけません。

まずは排出をゼロに。これでバスタブから溢れる心配は無くなります。そして、そこから温室効果ガスを吸収して、ゼロに。これでバスタブが無事に元通りの空になります。


ゼロに。文字では簡単に書くことができますが、そのための道のりは、決して簡単なものではありません。

まずどれだけの量をゼロにする必要があるのかというと、510億トンです。数字が大きすぎて想像できないですね。私もです。とにもかくにも、私たちに与えられた課題は、これだけの数字をゼロにすることです。

たとえば、こんな「もし」を考えてみましょう。

いまこの世界に走っているすべての車・バス・トラックを「魔法」でなくしてしまったとしましょう。つまり、移動にかかる温室効果ガスが0になったと考えてみてください。

さて、510億トンのうち、どれだけ減ったでしょうか。答えは、81億トン。およそ16%です。残り400億トン以上が残っています。こんな「魔法」を使ったにも関わらず、です。

まだまだ「魔法」を使ってみましょう。私たちが特に心配する電気(火力発電)から排出される温室効果ガス、さらに、冷暖房を使った時の温室効果ガスも0にしましょう。魔法の大盤振る舞いです。

さて、残り400億トンからどれだけのガスが減ったでしょうか。答えは、180億トンです。(電気が27%の140億トン、冷暖房が7%の35億トン)残りは、200億トン以上が残ります。

とんでもない魔法を使ったにも関わらず、まだ200億トン以上残っています。これだけ厳しい課題に挑戦しようとしているということです。

では、具体的にこの残りには何が関係しているのか。
それは、セメントや鉄鋼、コンクリート、プラスティックなど、ものの製造に関わるものが、31%(160億トン)と、植物の肥料や牛・豚のゲップ・分から排出されるものなど、ものを育てるに関わるものが、19%(90億トン)となっています。

身の回りを見渡してみてください。この携帯電話やパソコンを充電している電気のほとんどが、温室効果ガスを排出しています。空調の効いた部屋にいるとしたら、そこでもガスが排出されています。そして、仕事に行く時の車やバスからも、ガスが排出されます。

さらに、会社も家も、建設している資材のほとんどが温室効果ガスを排出しながら作られています。そして、お昼ご飯で食べたお肉や野菜を育てる過程でも、大量の温室効果ガスが排出されます。

私たちは、とっくの昔から温室効果ガスが当たり前すぎて、意識できないほどの世界に住んでいたのです。目につくもので温室効果ガスを排出しないものは無いといっても過言ではないほどです。


さて、大切なことなので、お伝えしておきますが、それでも、0への達成は可能です。ただ、簡単ではないというだけです。

そして、それは今の生活をすべて捨てて原始的な生活に戻ろうということを意味しません。現代の生活レベルを維持しながら、0へと移行することが可能です。

そのためには、さまざまなイノベーションと、政治的なアクションと、それから、私たち一人ひとりの具体的な行動が必要となります。

そのどれが欠けても辿り着けないゴールです。が、しかし、それらが揃えば辿り着けるゴールです。

そのために、まずはこのバスタブにどれだけの水が入っているのか。そして、日々どれだけの水が注がれているのか。この2つを確認しました。

現実が見えれば、あとはその解決策を見つけて、実行するだけです。困難ではありますが、複雑ではありません。

自分たちの未来のために、まずはここから始めましょう。

こちらの本は、SUGOIで毎月開催している読書会「本で遊ぶじかん2」で扱ったものです。

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